【気になったこと】 |
リタ |
「ねぇ……何であんた、戦闘中に曲芸師みたいなことするわけ?」 |
ユーリ |
「……は?」 |
リタ |
「だって、吹っ飛んだ時に受け身取るついでに、上手い具合で武器を持つじゃないの」 |
ユーリ |
「別に意識的じゃないぜ。大体、戦闘中に攻撃受けて、武器も取れないとか終わってるだろ」 |
カロル |
「何々、どうしたの?」 |
リタ |
「こいつが曲芸師に向いているかどうかって話」 |
ユーリ |
「誰が曲芸師だ」 |
カロル |
「確かに……言われて見ると、ユーリは曲芸師っぽいかも」 |
ユーリ |
「待て、俺のどこがそう見える?」 |
カロル |
「戦闘中に武器を構えなおすとき、くるっと一回転とか」 |
リタ |
「技を決めた後で鞘に戻す時、くるっと一回転」 |
ユーリ |
「あのな、別にあれは癖だし、構えなおすには丁度いいだけで――」 |
エステル |
「どうしたんです?」 |
リタ |
「こいつが曲芸師の方が向いている件について」 |
ユーリ |
「おい……まさかお前まで同じことを言うんじゃないだろうな……?」 |
エステル |
「え、ユーリは用心棒をお仕事にしていた、と聞いていましたけど」 |
カロル |
「あ、そうじゃないよ。ユーリが――」 |
ユーリ |
「ああそうだ、間違ってねぇよ。下らない話だから気にするな。ついでに昼飯作るから手伝え」 |
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(カロルの口元押さえてずるずる引っ張りつつ) |
エステル |
「あ、はい! リタも一緒に作りましょうね」 |
リタ |
「えー、あたし、面倒なんだけど」 |
ユーリ |
「手伝う予定ないなら、飯抜きでいいんだな」 |
リタ |
「はいはい、手伝えばいいんでしょー。全く」 |
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(面倒そうに頭の後ろで手を組みながら生返事を返すリタに、エステルがくすくすと笑う) |