先頭に名前を振るのが面倒なんで配色にしました。形式は以下の通り。
ゼロ
ヴィエル
フレイヤ
オーディン
ロキ
フォル
クイン
*ポケモンなんてポの字も出ませんっていうかキャライメージが様変わりとかしかねませんのでご注意ください。
「はいじゃあ問題。ゼロにお酒を飲ませ過ぎると、どーなるでしょうか?
1:気絶してそのまま熟睡
2:やたら笑ってる
3:腹黒に近い鬼畜になる
4:愚痴ばっかりになる
さ、どれだと思う?」
「んー……1?」
「じゃあ妥当で4ですかねぇ」
「あー……意外と3?」
「はいはーい。じゃ、正解を見る為に早速ゼロにお酒を――」
「っておいヴィエル!! お前、一体何問題出してるんだって言うか何しに行くつもりだお前!」
「え、向こうでお茶飲んで一人のんびりしてるゼロにお酒勧めて酔わせてみるんだけどそれが?」
「アホか! お前、その後の被害を考えろよ、被害を!」
「なによぅ、いいじゃない。どーせ、ディンと私くらいじゃない、そんなの」
「お前がよくても俺が面倒だ!っていうか、他の奴等がいる前でアイツに飲ませたこと
ないんだから止めろ! 何かやたらめったら被害増加したらどーすんだお前は!?」
「ディン、後、よ・ろ・し・く☆」
「誰が誤魔化されるか誰が。いいから止めろ!」
「えー、いいじゃない。缶ビール一本程度くらい」
「リアルな数字出すな。そしてその量じゃもっと駄目だ! ったく、お前、昔から目を離すといつも――」
『ゼロー、これ飲んでみないかー?』
『隊長が全部飲んでも問題ないって言ってましたよ。ですよねぇ、クイン?』
『ええとまぁ、そんな感じなこと言ってましたねぇ、ロキ様』
『そうか? じゃあ――』
「…………ヴィエル、さっき持ってた酒の入ったグラスは?」
「あっち」
「ちょっ、お前等! マジ待てつーかゼロ、おまっ、それ飲むなあーー!!」
「? ディン。全く、お前一体……何……騒い、で……」
(そのまま国王の躯が傾斜し、傍の机の上に倒れこむ)
「あ、寝ちゃった」
「おや、フォル、当たりですね。意外とクインの方が当たりかと思いましたが」
「いやいや、だって一国の王様ですし、っていうか……こ、こんなことして怒られないんですか、ロキ様」
「まぁ、それは向こうからやって来た隊長が――」
(素早くロキとクインの前を駆けたかと思うと、瞼を下ろして寝ている様子のゼロを見て小さく安堵。
そして、ゼロを肩に担ぎ上げ、足を引き摺るようにして運ぼうとする。)
「ったく、言いたい事は色々有るが――お前等の説教は後だ。
とりあえずロキ、フォル、クイン、お前等ここにいろよ。ヴィエル、手伝え!」
「えー、寝てるから平気じゃないのよー」
「引っ張ってる最中に起きたらお前くらいしか丸め込められねぇよ、この馬鹿」
「おや隊長、王様を"馬鹿"呼ばわりとは随分口が悪いですねぇ」
「ディン、口悪いー」
「煩い! っつーかな、お前等ゼロの恐ろしさを知らないからそう言えるんだ!
いいか、こいつが酒によって本性発揮し出したら、止めれるのなんて――」
(瞬間、オーディンの背後の影が起き上がったかと思うと、がしっと方が捕まれる効果音。
はっきりとしたその音に、何時もの面子がオーディンの背後の人物を見仰ぎ、掴まれている当人が
頬を引きつらせた瞬間、だんっという激しい音と共に彼の躯が床に転がされ――その背に足が乗る。)
「国王に向って"馬鹿"とは随分素晴らしい口の効き様だな、ディン」
「この野郎ー……今回は随分早くお目覚めじゃねぇか」
「貴様の下手な運び方の所為でな。お前は人一人満足に運べないのか?」
「お前のような馬鹿を平然と引っ張る気になるか。担がれただけ有り難いと思え」
「そうだな――貴様の素晴らしい行動に感謝しよう」
(言葉と同時にゼロがオーディンの足を引き上げてバルコニーへと続く扉の向こうへ投げ飛ばす。
見事に放物円運動の軌跡を描いて投げ飛ばされた彼を、その場の全員(*王妃除く)が呆然と見つめる。
平然とした足取りで国王がその場を後にし、バルコニーへ向うと、丁度、臨戦態勢を整えていたオーディンが
無言でゼロへと殴りかかる。しかしそれをあっさりと屈む事で回避した国王。オーディンが避けられたことに
咄嗟に回避のために後退しようとするが、突っ込む際に生じた加速度と後退の為に生じた加速度が作用反作用を
生み出して一瞬の空中停止を引き起こし、オーディンの躯を空中に繋ぎとめる。
交差する深い笑みと焦りの表情。同時に手の平で突き上げる音が響き、押し出されたオーディンが傍の噴水まで飛ぶ。)
「なんだ、随分と弱くなったな、苦労人」
「お前にそれ……ぜってー……言われたくねー」
「ふぅん? なら、まだ戦うというか」
「はっ、当然!」
「あ、ディンがまたすっ飛ばされた! 今度はゼロが飛び膝蹴り!」
「って、こ、国王、あんなに強いんですか!?」
「みたいですねぇ。――毎回あんな感じなんですか?」
「んー、でもまだ覚醒しきってないわよ、ゼロ。だって確か前は――」
「そういえば、お前、この間フレイヤと喧嘩したそうじゃないか。しかもたかが浮気問題とは。
――随分心が狭いな、お前は」
「う、煩い! 色々あったんだ、色々!」
「しかもまぁ、慰めには随分と典型的な方法とは、な。夜に部屋呼び出した上でそのまま――」
「言うなって言うかだから何でお前がその全貌知ってるんだオイー!!」
「あ、大分戻ってきたわねぇ、感じが。そうそう、ゼロって結構色々弱み知ってるのよ。
だから脅そうと思えば結構な人数脅せるのに、普段は絶対にしないのよねー、そーいうの」
「……なんか、すーっごい似てる光景見たことあるぞ、俺」
「俺も」
(フォルとクインが揃ってロキを見ると、朗らかな笑みでロキが片手に紐と薬品瓶)
「二人とも、今からお仕置き喰らいたいですか?」
「「謹んでお断りします」」
「大体、いい加減腰下ろしたらどうだ。そうやってふらふらしてるから彼女に苦労させてるんだ。可哀想に」
「だあああっ、手前に全部言われたくは無い! 大体、何でお前だってヴィエル野放しにしてこっちの
迷惑増やしやがって! ちったあ王妃様に自重を覚えさせられないのか、この馬鹿王子!」
「――――ヴィエル、ロープ」
「はーい」
(どっからともなく取り出したロープをヴィエルがゼロへ放り投げ、それをゼロが見事にキャッチ。
手馴れた様子で転がったオーディンの躯を束縛。)
「なっ!?」
「どうやらお仕置きが足りないようだな。まぁ、狗を主人が躾けるのは当然か」
「手前、さらっと格下げで狗ってなんだちょっとオイ!! つーか、ヴィエル! おまっ、少しは止めること――」
「だって私、ゼロの奥さんだもの。妻が夫に逆らうわけないじゃいの☆」
「そういうことだ。さて、どうしようか――いっそ、一度は痛い目を見るか?」
「既に見てるんだが……」
「王様、痛い目を見させるならまずはどこからかヒモ無しのバンジージャンプでもさせてあげるのがいいかとー」
「ちょっ、ロキ、おまっ止めるとか――!」
「ふむ、そうだな……。よしディン、まずは城の屋上から試してみようか。何、城の屋上程度なら骨折程度だ」
「お前の近辺守ってる騎士団長を骨折させたらお前の近辺どーすんですか大馬鹿国王様」
「じゃあファレンハイトさんのところに預けてみるとか?」
「ヴィエルー!! お前がそんなことやるなら俺は是が非でもお前を気絶させて逃げるぞおい!」
「ヴィエル、もっと穏便にコイツの失敗ばかりの昔話を延々と語るのもいいんじゃないか? 例えばそうだな……」
「おや、どんな話なんですかー?」
「ディンの失敗談ってー?」
「あ、何か気になるかも」
「数年前、私が国王につく前の話だな。あれは確か私の母の誕生日だったのだが、その時の服が――」
「ゼロ、俺が悪かったからだからその話は――――!!」
(突然、ドスッというめり込む音がその場に響き渡り、当時にゼロの躯がそのまま傾き地面に倒れて気絶。
その背後には首筋に手刀を叩き込んだフレイヤが立っていた。その隣には笑顔のヴィエルが立っており
気絶したゼロを、再び何処からともなく取り出した紐で縛り始める。)
「もう、ヴィエル。ゼロにお酒飲ませたの?」
「んー、まぁそんなとこ。駄目?」
「駄目に決まってるでしょう、全くもう……。はい、ディンも何時までも転がってないの」
「フレイヤ、おまっ、何時……!?」
「今さっきよ。厨房のお片付け終わって見にきたら皆騒いでて何かって聞いたら……
にしてもゼロ、貴方に対して一方的だったの? 昔から変わらないわね、実力差」
「……昔から周辺に"王子様に手を出さないように"って言われてましたのでねー」
「"手を出さないように"って……ディン、貴方、まさか……!?」
「ヴィエル、含み笑いしながら変な想像するな」
「おやぁ、隊長はその発言を変な方向として受け取ったのですか?」
「んな訳あるか! ――ロキ、お前とは一度キッチリと片をつける必要性がありそうだな」
「ロキ、"変な方向"ってどんな方向だ?」
「フォル、それは聞くな。後で色々後悔するぞ」
「おや、気になりますか、フォル? でしたら、隊長に頼めば手取り足取り教えてくれますよ」
「無理言うな」
「酷いですねぇ、隊長。あの日の夜、人を散々組敷いたのに」
「ディン、やっぱり貴方まさかとは思ったけど私の想像通り――!」
「ええい、ヴィエル、んなわけの分からん想像は捨てろ! そしてロキもそんな謎の記憶を捏造するな!」
「じゃあロキがディンのこと"組敷いた"のか?」
「…………(何かありえそうだよな色々な意味で)」
「…………(何かあっても違和感ないわよね)」
「え、何よ、ディン。貴方、実は意外性でもって受」
「俺の全存在をかけて否定する! おいロキ、お前からも何か言って――!」
「隊長、メイド長がいながらそーいう性質あるんですねぇー」
「だからお前はそうやって勘違いを増やすようなこと言うなーーー!!!」
(後・日・談☆)
「ゼロ、本当に頼むからお前酒飲むな」
「ディン、最近は飲んだ記憶はないぞ……?」
「そー言うと思った。本当にお前、お決まりで忘れてるんだよなぁ……。
一昨日くらいの打ち上げの時に飲んだ挙句に黒くなったぞお前。あれが本心かそーなのか!?」
「き、聞かれても覚えていないから分からないが……」
「じゃあ今此処で聞いてやる。ゼロ、俺はお前の何なんだ」
「親友であり、国王と騎士団長という主従関係での従者。違うか?」(さらっと)
「……本心だよな、それ」
「当たり前だろ。どうしたんだ、お前がそんな風に怪訝そうになるなんて。似合わないぞ?」
「……かもな。元々俺はお前みたいな堅物じゃないから」
(肩を叩いてくるゼロの言葉に、オーディンが肩を竦めて苦笑した。)
お酒は適量で
(「……ところで、私がワイン以外の酒を口にしたときはそんなに凄いのか?」
「あれが演技であって欲しいと思うくらいだ……」)
071215/とあるお方のギャグSSを見てその影響。ホウエン面子よりもキングダム地方面子の方がギャグが書きやすいです。ただし面白いかどうかは見てる人次第ですが(ぇ)
とりあえず表に出すのも気が引けたので、倉庫行き。今後もこういった未発表で御蔵行きなんてものが増えるかも。