【用語説明】

<ハイルベーテン国>
(由来:(どっちもドイツ語)ハイル/Heil/幸運,幸福,救済とベーテン/beten/祈る)

この世界に絶望した神がいなくなった国であり、人の他に、天魔・精霊という種族が存在する。
マナの満ちた環境であるため、他国よりも独自の文化と技術が発達している。
特にマナと呪(しゅ)に関する技術は、この国ならではの文化性を持つ特殊な技術となっている。
国王は政治手腕が優れており、数年前の戦争における調停にも一役買っている
(戦いにおいて、精霊や天魔の力を借りたのではないかと噂されている)

<魔法>

神の力。万物の理であり礎。
強い願いを持つ者の意思と、魔法陣、大量のマナ、そして見合った代償、という条件を満たせば、
どんな願いでも叶えてしまう力。
本来は神でしか扱えない力なのだが、人の中に魔法の"力"そのものを召喚することで、
人が扱えるようにもなると言われている。
魔法の召喚もまた、ある種の奇跡を必要とする。

<呪(しゅ)>

天魔・精霊が使用する魔術の名称。神が使う力である魔法を、
天魔や精霊が独自の理論で使える様にしたもの。
万物の願いをかなえる魔法とは違い、ある程度、やれることに制限がある。
少々強力な呪(しゅ)になると、「呪う」形で人や物を操ることが出来るようになる。
扱うためにはマナを消費する必要があり、人間が呪(しゅ)を扱うためには、
彼らと契約を結ぶ必要がある。
契約には専用のマジックアイテムに、人間自身のマナをそそぎ込み、
契約を結ぶ天魔・精霊の真名を書き込むことで、
初めて契約が結ばれ、契約をした天魔・精霊を通して、呪(しゅ)を扱うことができる。

<マナ>

人間の喜怒哀楽など、感情の動きによって発生するエネルギーの名称。
精霊や天魔にとっては生きる糧であり、呪(しゅ)を使う際に必要なエネルギー。
本来は天魔や精霊と契約した人間のみがマナを発生させるのだが、ハイルベーテン国内では、
無関係でもマナが発生する環境であるため、天魔や精霊が普通に存在している。
基本的なマナはどんな感情であっても純粋なエネルギーだが、時折、
人の負の感情に当てられすぎたマナは黒く染まり、
天魔や精霊たちを狂わせるエネルギーともなっている。

<天魔・精霊について>

呪(しゅ)を扱え、存在する上でマナを必要とする二種族。
天魔は、鳥のような翼をはやし、物によっては角を生やしている。
精霊は、虫のような透明な羽根をはやし、物によっては獣のような耳をはやしている。
どちらの種族も、知性が高いと人の姿に、知性が低いと獣や現存しない
魔物のような姿となる。彼らの体は残らずマナで構築されている。
そのためか、負の感情で黒く濁ったマナをたくさん採取すると、悪意のある行動をし始める。

<魔物について>

人の負の感情で濁ったマナが形をとったものや、精霊や天魔のなり損ないのこと。
精霊や天魔にとっては使役する存在だが、人間にとってはただの獣以上の脅威がある。
基本的に各国の郊外に存在すると言われ、国間や町間を移動する旅人は、
旅人自身が撃退する力を持つか、傭兵を雇うなどで対応している。

<契約書について>

前の人間王・天魔王・精霊王の三名によって
「魔法召喚で失われたマナの分、精霊や天魔が普通に生活できるような環境の結界を張ること」
「マナをむやみやたらに吸い取られないように、町(特に城内)に抑制の陣を引く」
という旨で結ばれた契約書。
上記の契約書により、天魔や精霊は城内ではマナの吸収がままならないため、著しく力を失う。

<アヤカシの杖について>

数十年ほど前に、人間と契約を結んだふりをして、
マナだけを大量に吸収していた精霊が、その当時の精霊王によって封じられた杖。
封印されてからは精霊王の管理する宝物庫に保管されていたのだが、
ジリンの操る精霊によって、城下町まで持ち出される。
その際、精霊を通したジリンによって、半分ほど封印を解除されて、意識だけが浮上。
解呪の為には魔法が必要だと言われ、様々な人間に甘言を囁いて操りつつ、魔法を探し出す。