4.



暗闇にいると怖がる。
口をぱくぱくさせる時はお腹がすいているか、のどが渇いているか。
周囲をきょろきょろしだしたら、何か寂しがっているとき。
独りで居続けると、途端に泣きだす。
その癖に感情表現が変に乏しい。
それらは、全て少年が幼いころの時の話だった。もう何年も前の癖を直ぐに思い返せる自分をカオスは自嘲した。もう保護者気分は止めようと思っているのに、すぐこれだ。これでは、何時まで経っても今の主を認めれそうにもない。
すぐ横には、もう何年も前に押し入れの中に放置していた積み木を懸命に組み立てる少年の姿があった。瞳には煌めきはなく、虚ろな瞳が、ただ単調な作業の様な事を繰り返す。その様子に、カオスは思わず安堵する。
実のところ、エメラルド達がこちらを尋ねに来たのは、本当の問題がにひと段落した後だった。記憶がなくなったそのすぐ後の反応をみていないからか、彼らは、シュウの害意のない様子に安心しているようだった。

(まさか、ポケモンが怖いと思うようになるなんて、な)

あの後。
記憶がなくなったのだと理解すると同時に、突然、シュウはミュウツーの腕の中で悲鳴を上げてもがきだした。何事か理解できずに呆然とする中、それをなだめようとイーブイが主人の顔の所まで昇り上がってくる。と、主人の悲鳴は更に悲痛な物になった。
必死にもがくその様子は普段からは想像できない、子供の癇癪の様なものだ。やがて、悲鳴に交じって何とか絞り出した言葉は、

「こわい」

その一言は、様々な戦いをくぐりぬけてきたカオスやイーブイ達に、大きなダメージを与えた。体を強張らせたイーブイを摘みあげてひきはがし、カオスは人間の姿になる。そして主人を抱き上げたまま頭を撫でて「大丈夫だ」と何度か呟いてやった。
すると、少しずつ少年は大人しくなっていく。先ほどまで恐怖の色を見せていた瞳は、薄まり、しかし何の感情の色もなくなる。
その様子は、カオスがよく知っている、主人の子供時代の様子だった。違いは、ポケモンを見て怖がるかどうかの差だけ。人との交流が極端に少ないために、感情表現が上手くできず、ただ作業をする子供だ。自分がもっと人間と交流できるだけの心があればよかったが、あの当時から今でも、自分の知らない人間相手に話を合わせる行為は苦手だ。少なくとも、女を相手にする時ですら、向こうの話を聞く程度だ。こちらから積極的な干渉を使用などと思う事は一度たりとしてない。

(だから俺は、こいつが心配だった)

人間はどいつもこいつも、はっきりと感情を露わにする者ばかりだ。それが例え欲望に歪んでいようと、怒りにまみれていようと、とにかく感情を表にする生き物だと思っていた。ところが、カオスが面倒をみるこの少年は、不思議なほどに感情が死んでいた。
ポケモン協会の副会長の子供と言う事で、狙われることを考慮した彼の父は、彼を家の中で手厚く保護していたようであった。結果、シュウはカオスと会うまでの間、バンギラスによって家の中だけでしか生活をしていなかったらしい。
外部との接触がないということの意味を、カオスは、初めて恐怖したのを覚えている。ごたごたがありつつも改めて面倒をみるようになってからは、なおさら、少年の感情表現不足が目に見えてきた。その頃は、まだカオス自身、感情の表現の仕方などというものを教えるほど、自分が出来ていないのは理解していた。

(確か、どうしたもんかと思って適当に本を探って……)

そしてある時、カオスはとある記事を見た。『ポケモンとの交流によって、病気の人間の精神が少しずつ回復していく』というものを。
そこで、カオスはシュウにイーブイを世話させることにした。しかも、選んだのは生まれて間もない奴だ。
イーブイはカオスが思っていた以上に酷く感情表現豊かであった。とにかくはしゃぎ、楽しげに笑い、時々転んでは泣き、怒る時は噛みついてくる始末だ。世話を焼く対象が二体になることは面倒ではあったが、しかし実際に、シュウに少しずつ感情の変化が出てきたときには、自分でも不思議と喜んだものだった。
シュウはイーブイを真似るようにして、時折笑い、時折泣き、時折怒って――――少しずつ、普段の表情が明るくなった。

(そういえば、その頃だな。公園に行くようになったのは)

ある時、本を読んでいたシュウが、自分の元へ来るなり、(表情はそのままに、しかし感情は浮足立っていたのか少しばかりぴょこぴょこ跳ねていたように記憶している)本を目一杯開いて見せた。本には、公園で楽しそうに遊ぶポケモン達と人間の子供の姿があった。
「行きたいのか?」そう尋ねて首を縦に振る彼の頼みを、カオスは無下にできなかった。

(あー、その時は確か、珍しくレジェンも来たんだっけなー)

外に出て良いかを確かめる連絡をするなり、家にすっ飛んできた少年の父親でその当時は自分の主人だった男は、少年以上に楽しげな様子だった。バスケットを引っ張り出し、副業のカフェで身に着いた軽食作りのスキルを生かしたサンドウィッチをその中に詰め込み、まるでピクニックにでも行く様子だ。そんな父親の姿を見て、シュウもまた、普段よりも浮足立っていた。

(それで公園に行ったら、確か人がいなくてー……)

実のところ、彼がねだったその時期は、ちょうど真冬の真っただ中だった。その為に公園には人っ子一人見当たらない、どころか、吹きすさぶ風がやや冷たかったようにも記憶している。
しかし、初めてやってきた"公園"というのを、シュウはえらく気に入っていた。いつもはあまり見ない笑顔で、彼はとにかく遊具で遊びつくしていた。普段は仕事で忙しいレジェンもまた、いつもは見せない親ばかぶりを発揮し、シュウの様子を逐一写真に収めては、大層嬉しそうな表情でシュウと遊んでいた。カオスは、そんな馬鹿親子が怪我しないように気をつけながら、サイコキネシスで遊具を動かしつつ、見守っていた。
昼食を食べ、遊ぶだけ遊び、そして、夕暮れ時になってしまった。
この時初めて、少年は確か駄々をこねた。普段はまったく無反応な彼のその様子に驚き、カオスは彼の父親を振り仰いだ。すると、彼はちょっと考え込んでから、息子と同じ目線になるようにしゃがみこんで、

「今度から、カオスがお前の事をここに連れてきてくれるよ。だから、今日は家に帰ろう。家でイーブイ達がお前の事を待っているんじゃないかな、シュウ」

その言葉を聞いて、シュウは納得するように頷いた。そして期待するような眼差しで、彼は確かに自分を見上げた。

(そうそう、そうだ。それで確か、シュウを公園に連れていくようにしたんだった)

当時は、その時の主人であるレジェンに対しては後から文句を言ったようにも思える。何であの場で考えなしの事を言ったのだと、シュウの身の危険はいいのかと。これに対して、彼の回答はあっけらかんとしていた。

「お前がシュウの事を守ってくれるんだろう? 僕はまた忙しくなるけど、宜しく頼んだよ、カオス」

(そう言われて、何故かあの当時の俺は納得した。……まぁ、なんか反論を受ける間もなく、あんにゃろうがさっさと仕事に戻ったのも原因だが)

"あんにゃろう"の人物を思い出して、ミュウツーの顔が渋い表情になる。そのまま、ふつふつと怒りの様なものが湧き上がってくる。

(つーか、大体アイツ、自分の息子がこーなってるのに来ないって言うのは、一体どういう了見だよ、おい。――――別に面倒を見たくない訳じゃないが、でも)

怒りが降り切れる直前に横を見れば、積み木に何となく飽き気味のシュウが、ぼんやりと空中を見ている。感情をどこかにおいてきてしまった虚ろな黒い瞳が嫌でも視界に移る。それが、まるで守れなかったと責められているように感じる。心のどこか奥底を強く引かれる感覚が離れない。
ふと、カオスが立ち上がりそうなのを察したのか、シュウがカオスの服を引っ張る。虚ろな瞳はなにも返しては来ない。しかし、おいて行かれることの恐怖だけは、見て取れた。彼の頭を優しく撫でて、カオスはその場に座りなおす。
ポケモン達はボールに戻し、少し離れた位置においてあった。ボールの中から様子を伺うイーブイやバンギラスに軽く手を振ってやると、とりあえずイーブイは不服そうな表情をしていた。主人と一緒に居られないことがもどかしく、そしてカオスに嫉妬をしているのだろう。

「なぁシュウ」

自分の名前は認識できるらしい。少年が顔をこちらに向けた。

「イーブイ出して、触ってみないか?」

指差す先にあるのはモンスターボール。と、イーブイがボールから勝手に飛び出すと、その場にとどまったまま物欲しいような目で少年を見つめる。しかし、少年はふるふると首を横に振ると、一層強くカオスの服をつかみ、腹に顔をうずめてきた。
ポケモンに対して本格的に苦手意識を持っているようであるのを確認して、カオスは深いため息をついた。

「ったく……どうすりゃいいんだよ……。正直、レジェンでもいないと埒あかないんだが……ってか、あの親父、息子の事をなんだと思って」
「当然、大切な家族に決まってるじゃないか!」

バンッ、と扉を思い切り開く音とその声に、カオスは深いため息をついた。それでも、口元が緩んでいるのは分かった。目を吊り上げて、カオスは声がした入口に顔を向ける。

「おせぇぞ、レジェン」
「そういうカオスは、随分と覇気がないようだね。覇気のないミュウツーなんて、まずお目にかかれないから拝んでおこう」

立っていたのは黒いスーツの男だった。黒髪に黒眼といった要素が息子とそっくりな彼は、口髭を優雅に撫でつつ、ずれ落ちたメガネを少しだけ持ちあげる。
ポケモン協会の副会長の一人、レジェンは、自分の元相棒と変わり果てた息子を前にしても、普段の困ったような表情のままであった。


***


「事件のあらましは大体分かった。つまりここ数日、この周辺地域で、無差別に人が襲われている事件が発生していると。被害者は、記憶が弄られた上に精神が子供時代まで遡り、更にはポケモンを怖がるようになる。んで、今日まで犯人の姿は誰もを見ておらず、未だに何が目的なのか不明のまま……そしてシュウは運悪く、それに巻き込まれた、と」
「そういうことだね」
「しかしポケモンを怖がるようになるって話は、なにもこいつだけじゃねぇのかよ……つか、話を聞きに来たエメラルドの野郎、連続して起こってるって話は一切しやがらなかったし」
「お前がシュウを置いて犯人捜しに行かれたら困ると思ったのだろう」

ソファーで毛布にくるまっているシュウを撫でつつ、カオスは面倒くさそうにレジェンを見た。仕事の途中でやってきたらしく、書類にペンを落としながらではあるが、彼は息子が巻き込まれたらしい事件の全貌を説明した。コーヒーを一口流して、レジェンは肩をすくめる。

「バンギラス達の話を聞いたアゼル君は、他の地方のポケモンが犯人じゃないか、って言ってるけど、カオスはどう思うかい?」
「個人的には、人間のやり口も多少入ってると思うけどな。野生のポケモンが単体で、こんな事件を起こすわけないだろ」
「もしかしたらちょっと高度な知能を持ってる可能性もあるよ? ほら、カオスだってポケモンだけど、悪知恵はいくらでも働くだろう?」
「人間に変身出来てなきゃ、早々悪知恵なんて思いつかねぇよ」

実際、この世界で生きていく上で、人を使ったりすることを思いついたのは、カオス自身が人に化け、人の社会で生活をしたい経験があるからだった。ポケモンもまた知識と言うのはあるのだが、それは、知識を吸収する術があるだけであり、実際に経験がなければ意味はない。言うなれば、人間というのはポケモンよりも知識がない分ずる賢く、ポケモンは人間以上に頭が回るからこそ、人にあるような悪知恵を働かせる必要はないと言える。

「うん……? ってことは、人間社会を見たことのあるポケモンだったら、或いは、単独で犯行を……? つっても、動機がなんだか……」
「その動機が何とも不明だよねぇ」

言ってみて考えるほど、頭はどうにも混乱していく。いつの間にかペンを置いて優雅にコーヒーを飲んでいるレジェンを睨め付けて見るが、飛び込んできた情報を整理できる要素は何もない。ため息をついて頭を軽く叩いてみるが、そんなので整理される訳もなかった。

「それにしても、犯人となるポケモン……か人間かは分からないけど……も不思議な事をするよねぇ。人の記憶を操って子供時代にまで逆行させて……こどもの国でも作るのかな?」
「作って何になるんだよ」
「例えば…………友達作り、とかだねー」
「いっそのこと、レジェンの記憶が消えればよかったんだけどな」

そこまで言って、レジェンが顔を上げる。顔には理解の色。意味が分からずにカオスが首をかしげると、彼は意味もなく頷いた。

「そうか……犯人は、こどもの国を作るつもりなんだよ、カオス。その為に、精神を子供のころまで遡らせたんだ」
「意味が分かんないぞ、レジェン……つか、何で精神逆行するついでに、何でポケモンを嫌いになってるんだよ」
「カオス。子供だけしかいない世界にポケモンがいることは、危ないことだと思わないかい?」

意味が分からずに目を瞬かせると、レジェンは口髭を撫でつつ、小さな笑みを浮かべた。

「ポケモンは、普通の大人以上に子供に影響を与えやすい。彼らの存在は不思議な要素ばかりだからか、子供たちの興味関心を引きやすいものでね。この事件の犯人が"子供の世界"を作りたい要素の一つに、仲間を増やしたいものだとする」
「話が全く見えねぇぞ、レジェン」
「まぁまぁ聞きなさい。その仲間を作りたい要素の一つに『自分に従順に従う者が欲しい』とする。――まぁ、仲間と言うかここまで来ると、下僕か何かかな――それはともかく、子供時代の心と言うのは純粋でね。この頃に植え付けられた考えと言うのは、成長する過程でも中々拭えない物だよ」

言われて思い当たるのは、シュウが常日頃思っている、手持ちポケモン達への接し方だった。周囲の人間はポケモンの存在を、相棒やパートナーと定義していた。しかし、子供のころから一緒に育ってきた彼らの事を、シュウは家族だと思っていた。それは、世間でポケモンがどんなにパートナーといった定義をされていても、変わることはなかった。この事は、彼の中で小さなしこりになっているように見えた。

「ポケモンという要素は、この植え付ける過程で邪魔になる可能性がある。なにせ彼らは知識はなくても知恵は人間以上だ。異常な事には酷く敏感だから、考えを植え付ける過程で邪魔をしてくる可能性もある。そこで、犯人は考えた。――元々、ポケモンが苦手だという意識を持たせておけば、子供に戻った人間達はポケモンに近寄らない、とね」
「ちょっと待て、レジェン! そこまで聞いて話は分かったが……なら、この犯人は人間じゃないのか!?」
「いいや、違うね、カオス。言ってみて気付いたんだけど、この犯人はポケモンだよ。それも、君の様に少なくとも人間社会で生活していた……恐らくはトレーナーに捨てられたポケモンだ」

はっきりと断言する彼の瞳は真剣味を帯びていた。意思を孕んだ黒い瞳を、ミュウツーの紫色の瞳が真っ直ぐと見返す。

「何でそう思う」
「簡単だよ」

そう言ったレジェンの黒い瞳は、底なし沼を連想させる程に感情の色が見えない。口角を僅かに上げることで浮かぶ笑みには――憐れみでも呆れでもない、嘲笑じみた色があった。

「事件を隠さず無差別に人間を襲うなんて、人間そのものに恨みを持つポケモンくらいだよ」

そう呟いたポケモン協会副会長の瞳が、嘲笑と共にほんの僅か、強く細まり――――。
ばさっ、という音に目を向けると、先ほどまでソファーで眠っていたシュウが起き上がったところだった。そのまま、彼は毛布を跳ね除けて、ぺたぺたとした足取りで廊下へと出ていく。その様子に、何か悪寒の様なものを感じたカオスは立ち上がり、廊下に出て、

「お前は……!?」

そこに立っていたのは、つい昨日、シュウが公園で相手をしていた『イーブイ』だった。その傍に、ぼんやりとシュウが立っている。
と、後ろからカオスに続いて出てきたレジェンが、驚いた表情で『イーブイ』を見つめ、

「何で男の子が家の中に……? あれ、鍵は開けてたかな?」
「何言ってんだ、レジェン。どう見てもイーブイにしか見えないだろうが!」
「カオスこそ、何を言ってるんだ? っていうか、シュウ。お前はその子とお友達なのか?」

レジェンの言葉に、シュウがこくりと頷く。そして、少年が差し出した手をとろうと――――したところで、カオスは『イーブイにしか見えない物体』に向かって突進した。しかし、ぶつかる直前にイーブイの姿は掻き消える。対象を見失って突き抜けた瞬間、背後から響き渡るノイズ音が聴覚を埋め、思わずその場に耳を塞いでしゃがみこむ。
ほとんど反射的に、カオスは振り返った。そこには、イーブイの姿はなく、代わりに、確かに少年の姿が――よく見れば、女性の姿が――よく見れば、ミュウツーの姿が――最後に――全く見たことのないポケモンが見えた。
それは、一言でいえば、機械の様なポケモンだった。茶色の胴体はまるで長い鐘のようなものを彷彿させ、三色の指があざ笑うかのような点滅をしていた。
そしてその姿が見えた次の瞬間、シュウと、そこにいたポケモンの姿は消えた。テレポートによる波動の後が、ほんの僅かに光り、消える。

「今のはシンクロノイズ……!? あの技は、この地方で持つポケモンは少ないから……やっぱり犯人はこの地方ではないポケモンのようだね」

謎の攻撃によってふらつくカオスに手を差し出しつつ、レジェンは表情を曇らせる。

「しかし、お前と私で意見が食い違うという事は、相手は相当に厄介だな……アゼル君達も言っていたけど、姿が特定できない様じゃ、探しようがない」

カオスは自分の頭を殴った。同時に、頭の神経を無理やり弄るかのようにサイコキネシスを発動させる。昨日からぼんやりと頭の中に広がっている靄をかき消すように、彼は強く、サイコキネシスを使った。
そして――――昨日、ボールの中から見えていた光景を、はっきりと思い出した。

シュウが先ほど見えた不可思議なポケモンと遊び、そして、操られる事でやつれた表情の黒髪の女に怒鳴られていた光景を。

「レジェン」
「カオス、とにかく、テレポートした彼らの行方を」
「エスパーポケモン最強を舐め過ぎだぜ、レジェン。――ちょっくら、アイツを助けに行ってくる」

次の瞬間には、ミュウツーの姿はそこから消え失せていた。
騒ぎを聞きつけてボールから飛び出してきたイーブイやバンギラス達が、居間からぞろぞろと顔を出し、心配そうにレジェンを見つめる。
ポケモン達に溺愛さえている自分の息子を思い、レジェンは楽しそうに笑った。

「さて、君達もカオスとシュウが心配だろうから、探すことにしようか。――アゼル君なら、直ぐに見つけてくれると思うんだよね。目星をつけるのは得意な子だから」



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