トロイメライの奇跡 〜After time〜

 出演キャスト様
キャラ名 キャスト様 台詞数
レディ 墨染一夜様 35
アルーグ 吉田史記様 68
フラワー さくらひづき様 11
ジリン 紅原ユウ子様 32
リゼ 砕牙鴇様 9
ファースト 結城陽様 10
ラプサン 更科真都様 5
ペコ うだちかの様 7
フラン さくらひづき様 1
ミルモン あきら様 1
シュガ 笑兵衛様 1
 提出フォルダ名
toro3-貴方の名前


役名 番号 台詞 注釈
(1)回想1
【▲BGM:どこか狂った感じの曲、オルゴール?】
【○SE:めりめりと体が変貌する系の音】
【○SE:歩く音】
レディ 001_lady001 「っ……駄目……――こないで!」 近寄ろうとするアルーグを拒絶して、いつもにないほどせっぱ詰まった様子で、ただし決して泣いてはいない
アルーグ 002_arugu001 「レディ、気にするな。これは俺の望み。生きている意味なんて、ないんだ」
レディ 003_lady002 「イヤ、です……私は、貴方の願いを、奇跡を……っ、こんな形で、叶えたくない……!だからどうか、私を、殺して!」 殺して〜の部分はかすれる感じで
アルーグ 004_arugu002 「最後がお前を元に戻すためってのは、悪くないな」
【○SE:ざしゅっと貫く音】
レディ 005_lady003 「っ……〜〜――!!!!」 ひきつった声にならない悲鳴。ただし収録が難しい場合は別台詞に変更可能
【▼BGMフェードアウト】
【※少しの間】
【○SE:鳥のさえずり】
【○SE:毛布を避ける音、衣擦れ系の音】
アルーグ 006_arugu003 「確かにあのとき、俺は死ぬことを選択したはずだ。なら……誰の意志で、俺は不死になったんだ?」
【※タイトルコール】
アルーグ 007_arugu004 「ボイスドラマ トロイメライの奇跡 『After time(アフタータイム)』」
(2)呪い師の登場
【▲BGM:ちょっと訳ありの曲】
【○SE:扉の開閉】
【○SE:歩く音】
フラワー 008_flower001 「おぉ、起きたか。人間達は、おはよう、というのじゃったかな、くっけけけ」
アルーグ 009_arugu005 「天魔王の次は精霊王で……今度は何の用事だ。つーか、もう一方の王様と取引をしたはずなんだが?」
フラワー 010_flower002 「何。童はその件について話そうと思ってのぉ。彼奴は今、手放せない用ができた。故に、小間使いのあの天魔やペコと共に、一足早くいなくなったまでのことじゃよ」
アルーグ 011_arugu006 「確かに、ファーストもペコもいねぇな。まぁいい――んで、アイツを操ってたのが何なのか、だったな。呪(しゅ)がとり憑いた、っていうのはどういうことだ?」
フラワー 012_flower003 「言葉通りじゃ。意思のある呪(しゅ)が、天魔にとり憑き、彼奴を操っていた。じゃが、そう生半可に出来ることではないぞよ。そも、あの天魔は、天魔王の片腕ともいうべき存在。我らの源ともいうべきマナを黒く染め、意のままに操るなど……それこそ、魔法ほどの力が無くては、のぉ。そう――この間のアヤカシの杖が流出したことも同様にじゃ」
アルーグ 013_arugu007 「そういやあの杖、壊れる瞬間に『あの方に封印を解いてもらう約束が』とか言ってたな……それが、ファーストを操っていたのと同じ存在……――って、考え過ぎというか出来すぎな気がするな。そもそも、魔法じみた力があるなら、魔法を手に入れる意味はねぇんじゃねーのか?」
フラワー 014_flower004 「魔法じみた、というのは魔法ではあるまい。魔法は原理であり理。紛いものでは起こしえないことを、意思と条件が整えば、訳もなく発動できる物。――欲を持つ存在であれば、誰もが欲するものじゃよ」 欲を〜からはどことなく不敵に、嘲笑うように
アルーグ 015_arugu008 「はぁ。結局のところ、アイツを狙う存在は分からないまま、って訳か。ま、仕方ないか」 ため息交じりに末尾で窓ガラスが割れる
【○SE:窓ガラスが割れる音】
アルーグ 016_arugu009 「っ、なんだ!」
【▲BGM:魔法使いの曲】
ジリン 017_zirin001 「いったたた……やっぱり、変な呪(しゅ)は使うべきじゃないですね……あ、突然、お邪魔してすみません。とりあえず、窓は直しますからね。――よーいしょっと」 とりあえず〜でじゃりじゃり踏み、末尾で回復系の音
【○SE:じゃりじゃりとガラスを踏む音】
【○SE:回復系の音】
フラワー 018_flower005 「ほぉ。窓ガラスを瞬時に直すとは……小童のような風体じゃが、侮れなさそうだのぉ」
ジリン 019_zirin002 「そうそう、挨拶を忘れていました。初めまして。僕の名前はジリン。アルーグさんと、精霊王フラワー様、ですね。つまりここが、レディのいる場所、ということかな。ふむふむ」
アルーグ 020_arugu010 「!お前、何者だ……?」 警戒心露わに
ジリン 021_zirin003 「うーん、色々と肩書がある上に、胡散臭いからって納得されにくいんだけど……そろそろ、説明に丁度いい人が」 本当に困った感じだが、走ってくる音を聞いてひらめいたように
【○SE:走ってくる音(フェードイン)】
【○SE:扉を開ける音】
リゼ 022_rize001 「アルーグ!ここに、ジリン様は……!」 王様モードで
ジリン 023_zirin004 「やぁ、リゼ。たった今、お邪魔したばかりだったんだ。急ぎ過ぎて、呪(しゅ)による転移に失敗しちゃったけどね、あはは」
アルーグ 024_arugu011 「おい、このガキは一体誰だ?」 声を少しひそめて
リゼ 025_rize002 「この方は、城仕えの呪(まじな)い師、ジリン様だ。見ためは子供に見えるが、相当の年を重ねている方だぞ。この数年は国を留守にされていたんだが、つい先日、お前たちに会うために戻ってきた、という報告を受けたばかりだ……」 声を少しひそめて
ジリン 026_zirin005 「ねぇ、アルーグさん、ちょっと付き合ってくれないかな。君とレディに話したいことがあって、僕は、旅から戻ってきたんだよねー」 ころころ表情の変わる感じ、でも大体始終明るい感じ
【▼BGMフェードアウト】
(3)怪しいご依頼
【▲BGM:不思議系の曲】
【○SE:扉の開閉】
【○SE:歩く音】
レディ 027_lady004 「…………」 ※すーすーと寝息な感じ
アルーグ 028_arugu012 「パッと見、寝ているようにしかみえないぞ」
ジリン 029_zirin006 「いいや、違う。不安定になった結界のほころびを修復しているんだ。だから起きない。逆を言えば、結界を直す手伝いをしてやれば……」
【○SE:ぱっと手を取る】
【○SE:魔法の効果エフェクト】
【○SE:衣擦れの音】
レディ 030_lady005 「ん……ふあぁ……あらあらぁ。おはようございます、アルーグ。それと……ジリン様、ですか?」
ジリン 031_zirin007 「久々だね。覚えていてくれて嬉しいよ、レディ。さて、早速なんだけど――君達二人にしか頼めないことがあるんだ。魔法の力を持つレディと、その護衛騎士であるアルーグさんにね」
アルーグ 032_arugu013 「何だ?」 警戒心露わにしつつ
ジリン 033_zirin008 「この街にある東西南北の門、その傍の台座に、この宝石を、設置してきてほしいんだ。僕が設置するのでは意味がないもんでね。終わったら、城に戻ってくるんだよ。いいかい?」
【○SE:じゃらじゃらと石の音(片手で掴める程度の物)】
アルーグ 034_arugu014 「これは?」
ジリン 035_zirin009 「"君の願い"を叶える準備、といえば、分かりやすいかな?そしてこれは、世界の為でもあるんだ」 朗らかに、楽しそうに、どこか仰々しく
アルーグ 036_arugu015 「世界の為……?」 不信感をあらわにした吐息
ジリン 037_zirin010 「レディ、時は来た。君は、役割を果たさなくてはいけないんだ」 胡散臭い真剣みある感じで
レディ 038_lady006 「はい。分かっていますわ、ジリン様」 僅かに息を吸い、落ち着いた感じで
アルーグ 039_arugu016 「おい。一体どういう」 呆れ気味に
ジリン 040_zirin011 「それじゃあ、僕はこれで。お城で待ってるよっ!」 アルーグの言葉に聞く耳なしで、明るく楽しそうに
【○SE:窓が開く音】
【○SE:風の魔法(テレポート系)】
アルーグ 041_arugu017 「言いたいことだけ言いやがって……つーか。こんなあからさま胡散臭い依頼、引き受けない、っていったらどーすんだよ」
レディ 042_lady007 「アルーグは、残ってて下さい」 淡々と
アルーグ 043_arugu018 「は?」
レディ 044_lady008 「私だけで大丈夫です。だから、引き受けないのは、むしろ」 ほんの僅かに微笑むような
アルーグ 045_arugu019 「馬鹿か。何かあって、余計な手間をかけさせられるのは、もっとゴメンだ」
レディ 046_lady009 「では、約束して下さい。――もしも、その何かあった時は……私を殺してください」 息を吐きだし、祈るように
アルーグ 047_arugu020 「…………今更だ」 ぼそっと
レディ 048_lady010 「え?」
アルーグ 049_arugu021 「お前を殺すのは俺だけだ。……そうだな、最近、生ぬるい仲間ごっこですっかり忘れてた……――俺は死ぬためにお前を殺す。そのために、お前の騎士でいるんだからな」 ちょっと嘲笑じみた感じで
【▼BGMフェードアウト】
(4)違和感
【▲BGM:少しおかしな感じの曲】
【○SE:街のがやがや(控えめ)】
【○SE:歩く音×2】
【※イメージ的に、アルーグが先行してレディがその後ろをとぼとぼついてきている感じ。決して横並びではない】
アルーグ 050_arugu022 「それにしても、下に降りれば王様連中はいねぇし、街の中はいつもより活気がない……どうにも、厄介そうな状況だな。こりゃ、ファースト達の方も何か……?」 呆れつつも難しそうに、ややイライラと
レディ 051_lady011 「心配、しているのですか?」
アルーグ 052_arugu023 「意外か。ま……流石に半年も一緒にいれば、情は湧くもんだ――……っと、着いたか」
【○SE:石をじゃらっと取り出す音】
【○SE:歩く音(アルーグ1人分)】
レディ 053_lady012 「アルーグ」
アルーグ 054_arugu024 「何だよ」
レディ 055_lady013 「何があっても、続けてくださいね」
【○SE:かちっとはめるような音】
【○SE:魔方陣の音】
【○SE:びりっと服が破れる音】
【○SE:翼をはためかせる音】
アルーグ 056_arugu025 「お前、その背中!天魔の翼じゃ!?」
レディ 057_lady014 「大丈夫、です……少し、落ち着けばっ…………はぁ。次に、いきましょう」 苦しいながらも無理やり痛みを抑え込むように、羽は出たまま
【○SE:歩く音】
アルーグ 058_arugu026 「……あ、あぁ」 納得いかないが渋々
ファースト 059_first001 「アルーグさん、アルーグさん!!」 ノイズ混じりで、小さく、遠くに聞こえる感じの加工で
アルーグ 060_arugu027 「?今、アイツの声が……っ、気のせいか」 そんな馬鹿な話があるか、とため息と呆れ交じりに
【○SE:歩く音】
【▼BGMフェードアウト】
【※天魔や精霊、そして街の人間などが、少しずつ空間を一個隔てた場所に隔離されている状態。最初にジリンがレティに施したのは、結界の強化ではなく、結界の中にさらにもう一つの結界を用意し、その中に、街にいる存在を放り込み、エネルギー源のマナにしようとしている】
(5)破たんの先
【▲BGM:不安定な感じの曲】
【○SE:倒れる音】
レディ 061_lady015 「あっ……ぐ、ぁっ……!」 苦しそうに呻き、悶えている
【○SE:めりめりと体が変貌する系の音】
【○SE:風の魔法(テレポート系)】
ジリン 062_zirin012 「天魔の翼、精霊の翼、天魔の角、精霊の耳。そして、人の器……有難う、アルーグさん。これで彼女の体に、各種族のマナが注ぎ込まれた。あとはお城で儀式をすれば、君は晴れて、その任を解かれる!……の割に、浮かない顔をしてどうしたんだい?もうすぐ、君の願いはかなうんだよ」 芝居がかった風に
アルーグ 063_arugu028 「さっきから、街にいる人間が少ないような気がするんだが……お前、この街の奴らに――精霊や天魔に、何をした?」
ジリン 064_zirin013 「これから死ぬ君に、それは関係あるのかい?」
【○SE:剣を抜く音】
アルーグ 065_arugu029 「知ってるなら、元に戻せ。俺は別に、他人に迷惑をかけてまで死にたいわけじゃねぇよ」
ジリン 066_zirin014 「それは困った相談だ。君達二人とこの国にいる存在。それらを生贄にしないと、僕の願いはかなえられなくてね……!」 朗らかに笑いつつも、含みを持たせる感じ
【○SE:風の魔法(台風みたいな感じ)】
レディ 067_lady016 「っ……!」 最後の力を振り絞って魔法を少し発動させた感じ
【○SE:魔法陣の音】
【○SE:ひびの入る音】
ジリン 068_zirin015 「ぐっ、封鎖結界にヒビが……!」 驚き
【○SE:ガラスの割れる音】
ファースト 069_first002 「レディさん、有難う御座います!」
ラプサン 070_rapu001 「はぁっ!」 被せ
フラワー 071_flower006 「はっ!」 被せ
リゼ 072_rize003 「はっ!」 被せ
【○SE:光魔法】
【○SE:闇魔法】
【○SE:剣戟】
ジリン 073_zirin016 「くそっ!せめて魔法だけでも!」
【○SE:風の魔法(台風みたいな感じ)】
アルーグ 074_arugu030 「レディ!」
【○SE:手を掴む音】
【○SE:ぱしんっとはじく音】
アルーグ 075_arugu031 「なっ!?」
レディ 076_lady017 「お願い、今度こそ私を、殺して……」 途切れ途切れな感じ。殺して、の部分はかすれた感じ
【○SE:どんっと突き飛ばす音】
【○SE:風の魔法(テレポート)】
ペコ 077_peko001 「にゃああーー!レディが、レディが攫われちゃった!!」
ファースト 078_first003 「ペコちゃん、まずは落ち着いて……!封鎖結界から出たばかりなんだから、無理しちゃ危ないって!」
【○SE:からんと剣を落とす音】
【○SE:どさりと座り込む】
アルーグ 079_arugu032 「ははっ……馬鹿だ、俺は」 呆れたようなから笑い、やや呆然と
ファースト 080_first004 「どっ、どうしたんですか、アルーグさん!?まさか、何か怪我でも!」
アルーグ 081_arugu033 「俺が最初に死んだ理由はな……俺の願いで化け物になりかけてたレディを、元に戻すために、アイツに殺されたんだ」 ファーストの末尾に被る形で、半笑いな、暗い笑い
ファースト 082_first005 「なっ……!?」
アルーグ 083_arugu034 「自棄(やけ)だったんだよ。レディの護衛をしていたあの当時、俺の生きがいは、病の妹のために金を稼ぐことだった。だが結局、妹は亡くなった。そうして俺は、奇跡を起こせるとかいうアイツに、自分が死ぬ奇跡を願ったんだ。そしたら……レディの体は、化け物みたいになっちまった。アイツ自身の手で、俺を殺すためにな」 から笑いのような、穏やかさ
リゼ 084_rize004 「っ……」 初めて知った事実に怒りとやりきれなさで歯噛みする
アルーグ 085_arugu035 「一度願った奇跡は、実行されなくてはいけないそうだ。だから俺は、自分が死ぬ理由を、アイツを助けるためだと思うことにした。そう、だから……馬鹿な話なんだ。今のレディは、あの時以上に、異形の姿になりつつある。俺はそれを、止めることもせず、ただ自分が死ぬためだと思って、あのガキの言葉に乗っかった。あぁ本当……バカな話だよ」
ペコ 086_peko002 「アルーグ……」
アルーグ 087_arugu036 「だが、さっきの言葉で思い出した。不死になった怒りで、その原因を、俺はすっかり忘れてた。……いや、逃げていたんだ。だからこそ、俺が、決着をつける」 前三台詞を踏まえて、自分に活を入れ、真剣そうに
【○SE:立ち上がる音】
フラワー 088_flower007 「行くのかぇ?」
アルーグ 089_arugu037 「俺が頼まれたからな」 苦笑気味に
ラプサン 090_rapu002 「そう簡単な相手ではないぞ。俺達は、天魔と精霊の大量消失させたってことで、奴と交戦したが……結局、誰一人として勝てず、ああして捕まっちまった。契約書やアヤカシの杖の一件も、恐らくは奴だろう。なるほど、魔法に度重なる使用を求めることで、結界を不安定にさせやがった訳か」
アルーグ 091_arugu038 「ほぉ、犯人が分かったならなおさらだ。俺の邪魔をするやつを倒すことは、元々の目的だったからな」 軽く鼻で笑う感じ
リゼ 092_rize005 「アルーグ」 ちょっと厳しめに、王様とオカマ中間くらい
アルーグ 093_arugu039 「そういやあの契約、ちゃんと切ってなかったっけか。『死神騎士へ、レディという女性の護衛を依頼する』っていうあれ。――今から受け付けるか?」 ふと思い出した感じで
リゼ 094_rize006 「叩き返してお断りだ。最後まで責任は持て。それが、何でも屋としての矜持だろう」 王様らしく
ペコ 095_peko003 「あっ、アルーグ……!!レディは……レディは、帰ってくるの?にゃー?このままなんて、嫌だよ……」
【○SE:ぽんぽんと頭叩く感じ】
アルーグ 096_arugu040 「一つ、教えてやる。俺はまだ、あの女所長に言ってやりたいことが、山ほどありすぎるんだよ」
【▼BGMフェードアウト】
(6)異形と不死を願った者と選ばれた騎士と
【▲BGM:怪しげで罠っぽい曲】
【○SE:扉の音】
【○SE:歩く音】
【○SE:魔方陣の発動音】
ジリン 097_zirin017 「あぁ、やっぱり来るよね。なにせ、君は魔法に選ばれた騎士なんだから。主の為に生き、主の為にその身を捧げる。それが、不死に選ばれた者の宿命だよ」
アルーグ 098_arugu041 「レディはどこだ」 淡々と
ジリン 099_zirin018 「まぁまぁ、焦らない。急いては事をし損じるよ?それより――君が求めていた答え合わせを先にしてあげよう。まず、何故君は死を望んだのにも関わらず、死ぬどころか不死になってしまったかを」
アルーグ 100_arugu042 「何で分かる?」
ジリン 101_zirin019 「簡単。だって、君が不死になるよう仕組んだのは、他ならぬ僕なんだから」
アルーグ 102_arugu043 「なっ!?」
ジリン 103_zirin020 「正確には、彼女に呪(しゅ)をあらかじめ仕込んでいたんだよ。護衛にふさわしい人間が現れ、それが死んでしまった際、彼女が自動的に魔法を使い、対象を不死にさせるように、ってね。意思のない魔法が、自分から動く事なんてある訳じゃないか」
アルーグ 104_arugu044 「なるほど。お前が悪の親玉なら、お前を倒せばすべて丸く収まりそうだ」
ジリン 105_zirin021 「そうかな?では次に、僕の目的なんだけど……聞いて驚かないでくれよ?――恒久的な世界平和のためだ」
アルーグ 106_arugu045 「……驚くを通り越して、呆れるな」 嘲笑じみて
ジリン 107_zirin022 「そんな残念そうな顔をされても困るなぁ。僕は本気だよ?そもそも、今、各国は停戦状態にあるけど、どの国も、この国を狙って、今か今かと戦争の機会をうかがっているんだ。僕は旅に出て、様々な国を見回ったから分かる。どんな国よりも、この国にいる天魔や精霊は、戦争の脅威になる、とね」
アルーグ 108_arugu046 「だから、全員を滅ぼす、とかでもいうのか?」
ジリン 109_zirin023 「滅ぼす? 違う、利用するんだよ。彼らを操り、結界で世界中を覆い尽くす。そうすれば、全ての国を掌握出来る。奪い取る国が無ければ、争いなんて起きるわけがない! ――ま、この国には生贄になってもらうけどね」 違う〜の部分は鼻で笑いつつ、大仰に言った後、ま〜の部分は「仕方ないけどこれも必要な犠牲だから」というぐらいにさらっと笑って流す感じで
アルーグ 110_arugu047 「武力で全部を押さえつけるってか?ハッ、呆れた暴君ぶりだな」
ジリン 111_zirin024 「暴君じゃなくて知将だと言って欲しいなぁ。用は戦うまでもなく、降伏させるんだ。どんな種族も、圧倒的な力の前では、無力しか感じないんだよ。そう、例えば――……天魔と精霊の力を身に付けた、魔法そのもの、とかね」
【▼BGMフェードアウト】
【○SE:ぱちんと指を鳴らす音】
【○SE:扉の開く音】
【○SE:翼の音(空中に浮いたまま)】
【○SE:めきめきと皮膚の変形する音】
【※イメージ的に、天使っぽい翼の下に大きな虫のような羽根が生え、頭にヤギの角、耳が狼のような耳、片腕が獣のような腕で長い鍵爪、反対側の皮膚がどす黒く、顔半分ぐらいが獣か悪魔の肌みたいな微妙な感じの変形っぷり】
【▲BGM:戦闘系の曲】
レディ 112_lady018 「ある……ぐ……」 辛うじて声をだしてるような、声を少し反響的な加工
アルーグ 113_arugu048 「っ……!」 怒りと驚きで歯ぎしりな感じ
ジリン 114_zirin025 「さて。儀式の最後は、マナを預けた不死の騎士を、魔法自ら喰らうこと。これで、魔法は完全となり、契約書の強制破棄と、結界の拡大が可能となる。ついでにアルーグさんは死ねるしで。あはは、いいことずくめだよね〜」 芝居がかった落ち着き用
【○SE:獣の咆哮(レディの声or獣形で)】
アルーグ 115_arugu049 「くそったれが!!」
【○SE:地面を蹴る音】
【○SE:剣を振る音】
【○SE:鍵爪を振る音】
【○SE:かきーんと相殺する音×3,4】
【○SE:ずさーっと後退する音】
レディ 116_lady019 「……して……ころして……」 ぼそぼそっと、声を少し反響的な加工
アルーグ 117_arugu050 「うるせぇ!俺はな、お前に言っておきたいことが、山ほどあるんだよ!!」
【○SE:地面を蹴る音】
【○SE:かきーんと相殺する音】
アルーグ 118_arugu051 「いつもへらへら笑って、タダ働きばかりさせやがって、変な物拾ってきて、いつもいつもいつも迷惑かけやがって!お前のおかげで変なやつらが群がるし、変なやつらに好かれてばっかりで!あぁ!俺の人生はさんざんだ!だがな、それでもいいと思ってんだよ!」
【○SE:かきーんと相殺する音】
アルーグ 119_arugu052 「信じてほしいから生き返らせただぁ?何言ってんだ!俺はとっくにお前を信じてる!奇跡を起こしたあの時から、お前の言葉を、お前を信じてるんだよ!!そして、あの時お前は言ったな!?こんな形で、奇跡を叶えたくないと!なら、あの時叶えれなかった奇跡、叶えてもらおうじゃねぇか!!」
【○SE:かきーんと相殺する音】
アルーグ 120_arugu053 「俺はお前に戻ってきてほしい!それが願いだ、レディ!!」
【○SE:鍵爪を振る音】
【○SE:ぐしゃっと刺さる音】
アルーグ 121_arugu054 「がっ!!」
【○SE:ぽたぽたと血がこぼれる音】
【▼BGMフェードアウト】
ジリン 122_zirin026 「やれやれ。煩い話がやっと止まったみたいだ。奇跡?あっはっは!君はこの国の伝承を忘れたのかい?『この国に、神はいない。何故なら、彼らはこの国に絶望し、姿を消してしまったからだ。後に残ったのは、人間と、天魔と、精霊という名の三種族と……感情(のろい)の溢れた、奇跡の起こらないこの国だけ』と。いくら願ったところで、そんなものは起きないよ」 嘲笑気味に
【○SE:歩く音】
ジリン 123_zirin027 「さぁ、食べるんだ。それでお前は、完璧な魔法となる!」
【○SE:獣のうめき声(ぐるるるーみたいな、戸惑ってる感じ)】
ジリン 124_zirin028 「どうしたんだい?これはお前の餌だよ。さぁ早く」 少し焦り気味に
【○SE:光のあふれる音】
【○SE:魔方陣の展開】
【▲BGM:逆転的な勢いのある曲】
ジリン 125_zirin029 「何が、っ!?これは……封印の魔方陣!こんな……こんなのを出来るのは!!」
レディ 126_lady020 「ごめんなさい、ジリン様」 少し悲しそうながらも、淡々と普通の声音で、姿は戻っていない、以下の声も少し反響的な加工
ジリン 127_zirin030 「どういうことだ!お前は、魔法だろう!?どうして、僕を封印するようなことを!僕はお前を、完璧に操っていたはずだ!」
レディ 128_lady021 「私はこの人に……感情を、いだいてしまったんです。貴方の計算は、道具としての計算。ですが私は、人としての感情を得てしまった以上、完全な魔法に戻ることはできません。そして――私は、アルーグの願った奇跡を、叶えなくてはいけない。そのために……貴方を封印します」 真剣に
【○SE:ぴきっと小さくヒビ割れる音】
ジリン 129_zirin031 「い、いやだ……いやだいやだいやだいやだ!!!魔法風情に、この僕の計画が、邪魔されて、たまるかああああ!!!」
レディ 130_lady022 「終わりです」 ここだけ冷淡に
【○SE:ぱきーんと割れる音】
zirin-dm 【○SE:断末魔用の音】
「ああああああーーー!!」
【○SE:しゅーっと吸い込まれる音】
【▼BGMフェードアウト】
【○SE:とさっと地面に降り立つ音】
【▲BGM:コーラスのある曲】
レディ 131_lady023 「アルーグ」 普通に呼びかけ、以下の声も少し反響的な加工
アルーグ 132_arugu055 「はぁはぁ……ったく、生きてる……傷は治らないが、ま、なんとかだ」 苦笑気味に
レディ 133_lady024 「……ジリン様の起こした儀式が、中途半端に発動しています。このままでは、この国が大変なことに……あの」 ちょっと笑ってから、すぐに真剣そうに。そして、あの〜は申し訳なさそうに
アルーグ 134_arugu056 「魔法を使いたいがマナが足りない。俺の不死を完全に解除してマナを得たい、か?」 少し得意げに、ちょっと死にそうだけど平然としてる風を装って
レディ 135_lady025 「!何で……」
アルーグ 136_arugu057 「勘だが、当たりか。お前、本当のワガママ言いたいけど我慢するってとき、唇をかむ癖があるんだよ。覚えとけ。……一つ尋ねさせろ。お前の体、戻るのか?」 お前〜の部分は苦笑気味に。それから僅かに息を吐き出して、真剣に
レディ 137_lady026 「体を変質させているマナも全て利用しますから。ただアルーグは、不死を解除するので、もしかしたら……」
アルーグ 138_arugu058 「信じろ。俺はお前を信じている。なら、お前も俺を信じろ。こんなところでは死なないって」 言葉を遮って、真剣に
【○SE:魔方陣の展開】
レディ 139_lady027 「アルーグ。私は、貴方を……――愛してます」 愛してます、の部分はやっぱり聞こえるか聞こえないかぐらいのかすれる感じで
【○SE:光のあふれる音】
【▼BGMフェードアウト】
(7)日常に戻る魔法と騎士
【○SE:鳥のさえずり】
【○SE:衣擦れの音】
レディ 140_lady028 「ん……貴方は誰ですか?」 ※落ち着いてふんわりと笑っているように
【○SE:椅子のきしむ音】
アルーグ 141_arugu059 「――お前のわがままに振り回される、お前の騎士だよ」 僅かに吐息の後、最初の演技と違って、苦笑するように
【▲BGM:EDっぽいの】
【○SE:食器の音】
ラプサン 142_rapu003 「おいアルーグ。酒はまだかー?宴会なら、酒があってしかるべきだろう」
フラワー 143_flower008 「アルーグよ。この美味な物はなんじゃ?妾が気に入ったから、もっともってくるのじゃ」
リゼ 144_rize007 「アルーグ、こっちには水1つ。宜しくね〜」 ※女装版
フラン 145_fran001 「腐れ外道騎士様。ついでにこっちはビールのピッチャーを持ってきなさいです」
ペコ 146_peko004 「アルーグ、見てみて!この飲み物、おいしいよ〜!にゃははは!!」
アルーグ 147_arugu060 「お前等はーー!!数週間前まで死にそうだった俺に対しての労いっつーのはないのか!?おいファースト、お前もちったぁ手伝え!」
ファースト 148_first006 「えー。封鎖結界の時、さんざん、名前を読んだのに反応してくれなかったアルーグさんの手伝いをするのは、ちょっとなー」
アルーグ 149_arugu061 「よし、モミアゲ野郎。お前、ひとっぱしりして、酒と水買ってこい。できなけりゃ、後で仕事を倍にしてやる」
ファースト 150_first007 「ちょっ、八つ当たりは酷くないですか!?」
レディ 151_lady029 「アルーグ、私、ついに新しい飲み物を考えたんですのぉ。ジュースと発泡酒を混ぜたら、不思議な色になって」
アルーグ 152_arugu062 「子供の遊びか!ったく、飲み物全部、駄目にしやがって……仕方ない。俺が買いに行ってくる」
レディ 153_lady030 「ああっ!私もいきますわぁ〜」
【○SE:立ち上がる音×2】
【○SE:歩く音×2】
【○SE:扉の閉まる音】
ファースト 154_first008 「アルーグさん。なんか、吹っ切れたように見えますね」
ペコ 155_peko005 「元気が一番ー!にゃははは!」
リゼ 156_rize008 「私としては、なーんか気にくわないけど」 女装版でやや不服そうに
フラワー 157_flower009 「おぉ!確か、人間達の言葉では、それを"シスコン"というのじゃろぉ?」
ラプサン 158_rapu004 「どっからそういう言葉覚えるんだ、貴様は……」
【※少しだけ間】
【○SE:街の喧噪】
【○SE:歩く音×2】
アルーグ 159_arugu063 「全く……なんでどいつもこいつも、俺を便利屋扱いするんだか」
レディ 160_lady031 「うふふ〜。アルーグが人気者で、私、とっても嬉しいですわ〜」
アルーグ 161_arugu064 「だから、人気者じゃなくてただの便利屋、ってだけだっつーの……。……なぁ、レディ」
レディ 162_lady032 「はい、なんですか?」
【○SE:手をつなぐ音】
アルーグ 163_arugu065 「迷子になったら困るから、手をつないでるだけだ。いいな?」 ※誤魔化すように
レディ 164_lady033 「――えぇ。エスコート、宜しくお願いしますね」
アルーグ 165_arugu066 「あぁ、任せろよ、お姫様」
【※キャストコール】
アルーグ 166_arugu067 「ボイスドラマ『トロイメライの奇跡』。キャスト、アルーグ役、吉田史記」
レディ 167_lady034 「レディ役、墨染一夜」
リゼ 168_rize009 「国王リゼルティア役、砕牙鴇」
ファースト 169_first009 「ファースト役、結城陽」
ペコ 170_peko006 「ペコ役、うだちかの」
ラプサン 171_rapu005 「天魔王ラプサン役、更科真都」
フラワー 172_flower010 「精霊王フラワー役、および、メイドのフラン役、さくらひづき」
ミルモン 173_miru001 「王子ミルモン役、あきら」
シュガ 174_syuga001 「従者シュガ役、および、アヤカシの杖役、笑兵衛」
ジリン 175_zirin032 「ジリン役、紅原ユウ子」
フラワー 176_flower011 「主題歌担当、笹原那太(ささはら なた)」
ペコ 177_peko007 「イラスト担当、之(ゆき)」
ファースト 178_first010 「キャラ原案担当、さくらひづき」
レディ 179_lady035 「編集担当、chika(ちか)」
アルーグ 180_arugu068 「企画、飯塚アキラ。以上のメンバーで、お送りいたしました」


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